無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
 今度は由惟が目を見開く番だった。たちまち階下が騒がしくなる。

「なんなんだ、君は!」

 そんな叫び声が聞こえる中、ドタドタと足音が近づいてくる。徐々に大きくなっていった足音は由惟のいる部屋のすぐそばで鳴り止み、直後ドアが大きく開け放たれた。

「由惟!!」

 飛び込んできた真紘を目にした矢先に、由惟の視界は黒に包まれた。がっしりとした肉体に身を包まれ、抱きしめられていることを自覚すると、自然と涙が溢れてくる。ずっと、ずっと、会いたかったから。

「由惟、由惟……無事でよかった……」
「真紘さん、どうしてここに……」
「由惟がいなくなったって聞いて、探していたんだ。まさかずっとここにいたのか?」
「はい……あの、ずっと閉じ込められていて、家から出られなくて……」
「なんだと?クソッ、俺がいない間に。……聞きましたか?……を、お願いします……」
「君!何をしているんだ!人の家で勝手なことを!」
「不法侵入だよ!!」

 小声で何かを呟く真紘の声に被さって、追いかけてきたであろう横井たちも部屋に入ってきた。恐ろしい剣幕に思わず身がすくむ。
 由惟を守るように抱きしめると、真紘は毅然として横井たちと向き直った。
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