無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
そう考えていたところで、お腹の虫がぐぅと鳴った。
真紘の帰りを待っていたので、由惟も夕食はまだだった。でもきっと今日も真紘は帰ってこない。諦めて先に食べた方が良さそうだ。
一人分しか用意していない鶏の照り焼きは冷蔵庫にしまって、他のおかずを電子レンジで温める。温め終わったお皿をぼうっと取り出していた時、ちょうど玄関から鍵が開く音が聞こえて、由惟は手に持ったお皿を落としそうになった。
慌ててキッチンから顔を覗かせると、一週間ぶりに見る真紘の姿がそこにあった。出て行った時と同じジャケットは、ずっと着ていなかったのか綺麗なままだったが、真紘の輪郭はよりシャープになっている。痩せたというより、やつれたと言った方が正しい。
「おかえりなさい」
真紘は返事をするでもなくジッと立ち止まっていた。不可解と言いたげな面持ちで由惟を見据えている。
「なんでだ?」
「はい?」
「……いや、なんでもない」
全然なんでもない顔じゃないが。
とはいえ、むっつりと唇を引き結んでいる真紘からはこれ以上なにも聞き出せそうになかった。
「あの……夜ご飯は食べますか?」
そう訊ねるのは二度目だ。前回はすげなく断られたので、問いかけには勇気がいった。
ドキドキしながら返答を待っていると、やがて呆れたように大きくため息をついた真紘が肩をすくめた。脱いだコートを玄関にある外套掛けに掛け、こちらへ向かってくる。
「おまえも懲りないな」
「……すみません。でも生活費をいただいているのに何もしないっていうのはちょっと。それにご飯は私もいただくので、ついでに作っただけです」
嫌味な相手と対峙しているので、つい皮肉っぽい言い方になってしまう。
「でも、どうしても迷惑っていうならそれも辞めます。私自体が目障りなら、この家から出て行きます」
一息で言い切って、由惟は深呼吸をした。誰かに反抗する瞬間はやっぱり緊張する。真紘は真っ当な人間だから殴られはしないだろうけれど、それでも。
実際、真紘は怪訝そうに眉をひそめただけで、腕を振りかざしたりはしなかった。
真紘の帰りを待っていたので、由惟も夕食はまだだった。でもきっと今日も真紘は帰ってこない。諦めて先に食べた方が良さそうだ。
一人分しか用意していない鶏の照り焼きは冷蔵庫にしまって、他のおかずを電子レンジで温める。温め終わったお皿をぼうっと取り出していた時、ちょうど玄関から鍵が開く音が聞こえて、由惟は手に持ったお皿を落としそうになった。
慌ててキッチンから顔を覗かせると、一週間ぶりに見る真紘の姿がそこにあった。出て行った時と同じジャケットは、ずっと着ていなかったのか綺麗なままだったが、真紘の輪郭はよりシャープになっている。痩せたというより、やつれたと言った方が正しい。
「おかえりなさい」
真紘は返事をするでもなくジッと立ち止まっていた。不可解と言いたげな面持ちで由惟を見据えている。
「なんでだ?」
「はい?」
「……いや、なんでもない」
全然なんでもない顔じゃないが。
とはいえ、むっつりと唇を引き結んでいる真紘からはこれ以上なにも聞き出せそうになかった。
「あの……夜ご飯は食べますか?」
そう訊ねるのは二度目だ。前回はすげなく断られたので、問いかけには勇気がいった。
ドキドキしながら返答を待っていると、やがて呆れたように大きくため息をついた真紘が肩をすくめた。脱いだコートを玄関にある外套掛けに掛け、こちらへ向かってくる。
「おまえも懲りないな」
「……すみません。でも生活費をいただいているのに何もしないっていうのはちょっと。それにご飯は私もいただくので、ついでに作っただけです」
嫌味な相手と対峙しているので、つい皮肉っぽい言い方になってしまう。
「でも、どうしても迷惑っていうならそれも辞めます。私自体が目障りなら、この家から出て行きます」
一息で言い切って、由惟は深呼吸をした。誰かに反抗する瞬間はやっぱり緊張する。真紘は真っ当な人間だから殴られはしないだろうけれど、それでも。
実際、真紘は怪訝そうに眉をひそめただけで、腕を振りかざしたりはしなかった。