無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
「それ、おまえが作ったのか?」
突然聞こえるはずのない声が背後から聞こえてきて、由依は驚倒して椅子から転げ落ちそうになった。当たり前だが手元も狂う。
「いたぁッ!!」
親指の真ん中に思いっきり針が刺さり、由惟は堪らず悲鳴を上げた。
視界にうっすら涙の膜が張り、針を抜くと傷口からぷっくりと赤い玉が生まれてくる。傷口はジンジンと痛んでいる。
「大丈夫か?」
由惟が背後を振り返る前に、真紘が左隣の椅子に座った。帰宅したばかりのようで、コートに付着した冷たい冬の空気が鼻を掠める。
その顔はどこか気遣わしげだ。
たちまち冷静さが戻ってきて、由惟は時計を見やった。いつもより帰ってくるのが二時間は早い。予想外の時間の帰宅に驚きつつ、由惟は苦笑した。
「はい。ちょっと刺しちゃって。すみません、ティッシュ取ってもらってもいいですか?」
「ん?ああ、怪我してるな」
「大したことないですから。拭いたら絆創膏でも貼って……」
おきます、と言いたかったのに言葉は続かなかった。怪我をした左手首を掴まれ、血が滲む親指をパックリと咥えられたから。
(え?)
生温かい舌で指の腹を舐られる。頭が真っ白になって言葉にならない。血を吸い出すようにちうっと音を立てて吸い付かれると、背筋がひどくわなないた。
突然聞こえるはずのない声が背後から聞こえてきて、由依は驚倒して椅子から転げ落ちそうになった。当たり前だが手元も狂う。
「いたぁッ!!」
親指の真ん中に思いっきり針が刺さり、由惟は堪らず悲鳴を上げた。
視界にうっすら涙の膜が張り、針を抜くと傷口からぷっくりと赤い玉が生まれてくる。傷口はジンジンと痛んでいる。
「大丈夫か?」
由惟が背後を振り返る前に、真紘が左隣の椅子に座った。帰宅したばかりのようで、コートに付着した冷たい冬の空気が鼻を掠める。
その顔はどこか気遣わしげだ。
たちまち冷静さが戻ってきて、由惟は時計を見やった。いつもより帰ってくるのが二時間は早い。予想外の時間の帰宅に驚きつつ、由惟は苦笑した。
「はい。ちょっと刺しちゃって。すみません、ティッシュ取ってもらってもいいですか?」
「ん?ああ、怪我してるな」
「大したことないですから。拭いたら絆創膏でも貼って……」
おきます、と言いたかったのに言葉は続かなかった。怪我をした左手首を掴まれ、血が滲む親指をパックリと咥えられたから。
(え?)
生温かい舌で指の腹を舐られる。頭が真っ白になって言葉にならない。血を吸い出すようにちうっと音を立てて吸い付かれると、背筋がひどくわなないた。