無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
「初めまして穂乃花さん。成澤真紘です」
鼓膜を震わせるバリトンに、体の奥が痺れるようだった。声まで完璧だ。
うっとりと見惚れていた由惟は十秒くらい遅れて挨拶をした。目を逸らしても、心臓は高鳴ったまま。一体、どうしてしまったんだろう。
「今日は、穂乃花さんにお会いできて嬉しいです」
穂乃花とは違って、彼はこのお見合いを心待ちにしていたんだろうか。やけに「今日は」と強調されたような気がする。
「私もお会いできて嬉しいです」
緊張して無難に返すので精一杯だった。
心臓が大暴れしている由惟をよそに、お見合いは和やかな雰囲気で滑り出した。真紘の隣には彼の母親が座っている。父親は既に亡くなっているらしい。
「いやぁ。でも成澤くんとこうして縁ができるなんて嬉しい限りだよ。兄さんも草葉の陰から喜んでいるだろうな。成澤くんのことは、ずっと気にかけて可愛がっていたから」
早速ビールを飲んで顔を赤くした寛二が陽気に笑った。
お見合いが始まる前は青ざめていたというのに、なんというか調子のいい人だ。
真紘もビールを飲んでいるが、彼は顔色は変えずクールに頷いていた。
「そうですね。浩一先生には色々とお世話になりましたから」
(浩一先生?)
知らない名前が出てきたが、寛二が兄と言っていたので、恐らく穂乃花の伯父なのだろう。彼らの背景をよく知らない由惟は下手に口を挟まず、相槌を打つだけにとどめておいた。
鼓膜を震わせるバリトンに、体の奥が痺れるようだった。声まで完璧だ。
うっとりと見惚れていた由惟は十秒くらい遅れて挨拶をした。目を逸らしても、心臓は高鳴ったまま。一体、どうしてしまったんだろう。
「今日は、穂乃花さんにお会いできて嬉しいです」
穂乃花とは違って、彼はこのお見合いを心待ちにしていたんだろうか。やけに「今日は」と強調されたような気がする。
「私もお会いできて嬉しいです」
緊張して無難に返すので精一杯だった。
心臓が大暴れしている由惟をよそに、お見合いは和やかな雰囲気で滑り出した。真紘の隣には彼の母親が座っている。父親は既に亡くなっているらしい。
「いやぁ。でも成澤くんとこうして縁ができるなんて嬉しい限りだよ。兄さんも草葉の陰から喜んでいるだろうな。成澤くんのことは、ずっと気にかけて可愛がっていたから」
早速ビールを飲んで顔を赤くした寛二が陽気に笑った。
お見合いが始まる前は青ざめていたというのに、なんというか調子のいい人だ。
真紘もビールを飲んでいるが、彼は顔色は変えずクールに頷いていた。
「そうですね。浩一先生には色々とお世話になりましたから」
(浩一先生?)
知らない名前が出てきたが、寛二が兄と言っていたので、恐らく穂乃花の伯父なのだろう。彼らの背景をよく知らない由惟は下手に口を挟まず、相槌を打つだけにとどめておいた。