無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
初めてのデート
翌日、由惟は真紘にお願いして、この辺りで一番大きなショッピングモールに来ていた。
休日ともあって、ショッピングモール内は多くの家族で賑わっている。中央広場には天井ほどの高さがあるクリスマスツリーも飾られていた。幸せの原風景。無条件に心が躍る。
「…………本当にここでよかったのか?東京まで出てもよかったんだぞ」
「いえ!私、ずっと来てみたかったんです!」
三年前にできたこの施設の存在は知っていたが、これまで行ったことはなかった。横井家にいた時は、自分の買い物のために出かけるなんてことは許されなかったので。
「そうなのか……?」
だが、見上げた真紘はちょっと微妙そうな表情をしている。
改めて見てみると、ファミリー向けの店内に、ダークブラウンのロングコートをスタイリッシュに着こなす真紘の存在は明らかに異質だった。彼にはこんな庶民的な場所より、スタイリッシュな東京の街並みの方が似合うだろう。間違いなく。
「ごめんなさい。成澤さんは嫌でしたよね、こういうところ」
「……いや。穂乃花がいいなら、俺はどこでもいい。最初は手芸屋だったか?ほら、行くぞ」
由惟の手をサッと取ると、真紘は人混みを縫うように歩き出した。いきなり手を繋がれて、心臓がヒュンッと飛び跳ねる。でもその驚きはすぐに喜びの波にさらわれ、由惟の胸には幸せが満ちた。
休日ともあって、ショッピングモール内は多くの家族で賑わっている。中央広場には天井ほどの高さがあるクリスマスツリーも飾られていた。幸せの原風景。無条件に心が躍る。
「…………本当にここでよかったのか?東京まで出てもよかったんだぞ」
「いえ!私、ずっと来てみたかったんです!」
三年前にできたこの施設の存在は知っていたが、これまで行ったことはなかった。横井家にいた時は、自分の買い物のために出かけるなんてことは許されなかったので。
「そうなのか……?」
だが、見上げた真紘はちょっと微妙そうな表情をしている。
改めて見てみると、ファミリー向けの店内に、ダークブラウンのロングコートをスタイリッシュに着こなす真紘の存在は明らかに異質だった。彼にはこんな庶民的な場所より、スタイリッシュな東京の街並みの方が似合うだろう。間違いなく。
「ごめんなさい。成澤さんは嫌でしたよね、こういうところ」
「……いや。穂乃花がいいなら、俺はどこでもいい。最初は手芸屋だったか?ほら、行くぞ」
由惟の手をサッと取ると、真紘は人混みを縫うように歩き出した。いきなり手を繋がれて、心臓がヒュンッと飛び跳ねる。でもその驚きはすぐに喜びの波にさらわれ、由惟の胸には幸せが満ちた。