無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
 ずっしりと重い荷物を持ってなんとか家に帰り、由惟はへとへとになってソファに寝転んだ。お昼ご飯は食べそびれていたが、食欲はまるでない。

 真紘は今頃、手術に臨んでいるんだろうか。あの患者は助かったんだろうか。
 ハンカチにシミが滲むみたいに、不安がじわじわと心に広がっていく。

 真紘を信じてはいる。でも世の中に絶対はないことも知っている。
 以前見た、悄然とした様子で部屋にこもってしまった真紘を思い出し、胸が苦しくなった。

 もし万が一にも、辛く苦しい結果に終わってしまったなら、今度は彼のそばにいたいと強く思った。
 もちろん、由惟は手術が成功することを信じている。無事に終わったのだとしたら、その時は喜びを分かち合いたい。

 いてもたってもいられず、由惟は再びコートに袖を通した。今日買ってもらったばかりの真新しいロングコートの生地はパリッとしていて、自然と背筋が伸びる。
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