(一)この世界ごと愛したい
「…ごめんね。」
「謝んな。お前は良く頑張った。」
「るうに感謝だよ。るうがいつも隣にいてくれたから、私は今日まで戦っていられた。」
「ああ。」
そんな会話を、るうがこっそり聞いていたなんて私は知らなくて。
「…ハル。」
「俺はお前を引き止める手をずっと考えてた。」
「……。」
「…浮かばねえもんだなあ。」
そう言ったハルの目にも、涙が浮かんでいた。
「よく見りゃ傷だらけになりやがって。」
「あ、これは…夜襲の時にね。暗くて矢が見えなくて。」
戦闘の時に、羽織がどこかへ飛んでいったことに今頃気付いた私。
そんな私の腕を見たハルが心配してくれる。
「無茶ばっかすんなよ。」
「でもちゃんと勝ったよ。」
「俺がいたら怪我なんかさせてねえ。ルイは何してやがったんだ。」
「…一緒にいたけど。」
「はあ?それでこのザマかよ?」
言い方悪いなー。
るうはちゃんと私を守りながら戦ってくれてたよ。城壁登ってくるのがちょっと遅かったけど。
「聞こえてんだよ。」
宿を見つけたるうが戻ってきた。
「おいルイ、リンが怪我してる。」
「仕方ねえだろ。あの時は城壁登ろうにもリンが下ろした縄が短くて序盤気合いでよじ登ったんだ。」
「え、そうだったの!?ごめん!?」
「登ったら登ったで遅えって文句言われるし。」
あのロープそんなに短かったのね!!!
ごめんなさい!!!