(一)この世界ごと愛したい
「あの局面でリンより俺を取ったお前には、大事なリンはやれねえよ。」
それは私が神事用に練り上げた策で。
るうに薬を届けるように指示したのは私だし、作戦のことはるうには隠すようにしてたし。
別にるうは悪くないんだけども…。
「…結局病み上がりのお前に勝つことも出来なかったしな。」
「そう言うことだ。さっさと諦めろ。」
「それが出来たら苦労しねえ。」
るうはどうやら本気で落ち込んで。
ハルもそんなるうを見て、溜め息を溢す。
「リン離れの時、か。」
「…やめろ。まだ俺の傷に響く。」
お互いに励まし合い貶し合いながら、いつの間にかそんな二人も眠ってしまったようで。
三人並んで、川の字で眠る。
そんな三人が三人とも、今だけはこのまま目覚めたくないと。
心から願っていた。