(一)この世界ごと愛したい




もうハルが目覚めてから、るうがこの失恋を掘り返されるのは何度目だろう。




「でもお前がリンを捕まえてたらリンも思い留まったのか。いや、それは俺が無理だな。」


「いい加減に妹離れしろよ。」


「一生出来ないと自信を持って言える。」


「そんなことに自信持つな。」




妹離れは出来ないと断言したハル。


かく言う私だって、ハルが大好きなので兄離れは中々難しい。




「リンが嫁に行ったらどうしよう。」


「いや、もう行ったぞ。」


「…そうだった。あの金髪な。馴れ馴れしくリンに触りやがって。」


「触るどころの話じゃなかったけどな。」




ハルが思わず動いたことによって、私の腕枕がズレる。


一瞬起きるかとヒヤヒヤしながらも、ハルは静かに私の頭を元の位置に戻す。




「…お前マジでどこをどう守ったらそんなことになんだよ。」


「仕方ねえだろ。」


「そんなんだからフラれんだよ。」


「黙って聞いてりゃ何回言うんだ!?」




とうとう怒り出しましたるうさん。


もっと早く怒ってもよかったんじゃないかと、思える気もするんですが。




「俺だってまだ傷は癒えてねえんだよ。」


「…俺はてっきり優しいリンのことだから。その場の流れとか勢い任せでオッケーもあり得ると思ってたんだけどな。あくまで優しさな?リンの一番は永久に俺だからな?」


「いちいち腹立つ言い方すんな。」


「気を落とすなよ。どの道お前にリンはやらねえよ。」




< 1,036 / 1,300 >

この作品をシェア

pagetop