(一)この世界ごと愛したい
もうハルが目覚めてから、るうがこの失恋を掘り返されるのは何度目だろう。
「でもお前がリンを捕まえてたらリンも思い留まったのか。いや、それは俺が無理だな。」
「いい加減に妹離れしろよ。」
「一生出来ないと自信を持って言える。」
「そんなことに自信持つな。」
妹離れは出来ないと断言したハル。
かく言う私だって、ハルが大好きなので兄離れは中々難しい。
「リンが嫁に行ったらどうしよう。」
「いや、もう行ったぞ。」
「…そうだった。あの金髪な。馴れ馴れしくリンに触りやがって。」
「触るどころの話じゃなかったけどな。」
ハルが思わず動いたことによって、私の腕枕がズレる。
一瞬起きるかとヒヤヒヤしながらも、ハルは静かに私の頭を元の位置に戻す。
「…お前マジでどこをどう守ったらそんなことになんだよ。」
「仕方ねえだろ。」
「そんなんだからフラれんだよ。」
「黙って聞いてりゃ何回言うんだ!?」
とうとう怒り出しましたるうさん。
もっと早く怒ってもよかったんじゃないかと、思える気もするんですが。
「俺だってまだ傷は癒えてねえんだよ。」
「…俺はてっきり優しいリンのことだから。その場の流れとか勢い任せでオッケーもあり得ると思ってたんだけどな。あくまで優しさな?リンの一番は永久に俺だからな?」
「いちいち腹立つ言い方すんな。」
「気を落とすなよ。どの道お前にリンはやらねえよ。」