(一)この世界ごと愛したい
尚もぎゃあぎゃあと。
部屋の一室で大いに揉めている二人。
「…ねえ。」
「リン黙ってろ。お前は俺が守る。」
「一体何から守るんだよ。いい加減頭冷やせ。」
「二人ともうるさい。」
私はピシャリと言い捨てる。
二人はすぐに言い合いをやめて、私を見る。
もうね。寝起きの頭に響くので、段々と腹が立ってしまった私は笑顔を浮かべることも出来ず。
「私先行くから。」
そう告げて部屋を出る。
宿から出ると、気持ちが良いほどの快晴で。
イライラした心を癒してくれるようだった。
「…街、か。」
そして、賑やかな街並みを見て。
私の好奇心が爆発する。
「馬鹿野郎!お前のせいでリン行っちまったじゃねえか!」
「何言ってやがる、ハルが意味分かんねえことでキレるからだろ。」
「まじでリン早く見つけねえと。」
「はぁ。」
そうして、街へ先に繰り出した私を。
ハルとるうが、追いかける。