(一)この世界ごと愛したい
ごめんね。
ごめんね。
心の中で唱えることしかできない。
「リン…。」
「……。」
「俺は、お前と離れたくない。」
ああ…。
私は、大切なるうを。
これだけ傷付けてまで、前に進めるだろうか。
「何からだって守ってやる。お前を苦しめるものも全部壊してやるから。」
「っ…。」
「だから、どこにも行くな。」
そんなるうの悲痛な叫びを。
聞いてしまった私は、進むべき道を途端に大いに見失いそうになる。
私を離したるうが、私の顔を見て。
少し申し訳なさそうに笑った。
「…んな顔すんな。またハルに怒られるだろ。」
そう言って、先に歩き出したるうの背中に。
私は再び、ごめんねと心の中で謝ることしか出来ず。
その背中に、手を伸ばしてみたけど…。
私にはそんな資格はない気がして。
伸ばした手は、ただ空を切るだけ。
「…困ったな。」
なんだか泣きそうになる。
あんな顔をさせたくなかったのは、私だって同じだよ。
…るう。