(一)この世界ごと愛したい
まずハル相手に、私はまともな力を使えない。
「…ここは派手に帰ろう!」
「程々にしろよ。」
私に妙案が浮かんだもので。
とは言え城下町をごった返すわけにはいかないから、この閃きは城門を潜ってからにしよう。
そして、肉眼で王都を捉える。
「…帰ってこられたー。」
アレンデールに、帰ってきたんだと実感する。
まず、何をしようか。
ママに会ってたくさん話して。アルと約束した剣の稽古もしなきゃいけないな。
そして、パパのお墓に顔を出そう。
「…リン。」
「どうしたの、るう。」
「お疲れさん。」
それは、パパが戦死してから。
るうと二人、セザールへ討ち入ったことそのものの戦。私が先陣を務め、後軍の力は借りずに終わらせることが出来た。
「…うん。るうもお疲れ様。」
「やっと終わったー。ハル、休暇くれ。」
「「え。」」
未だかつて、聞いたことがなかった。
私もハルも、落馬するかと思うほど驚く。
あのるうが休暇っ!?!?
「何だよ。」
「ど、どうしたお前。どっか調子悪いのか。」
「るう痛い?しんどい?」
ハルも私も、心配せずにいられない。