(一)この世界ごと愛したい
るうが何を言ってるのかも分かりません。
けど、るうはとりあえず私を抱き上げてくれたので、すぐに炎を纏う。
「…不思議なもんだなー。」
「気流の扱い面倒だから動かないでね。」
二人分浮かせるのって、結構重労働だな。知らなかった。
そのまま最速でふわりと裏山に降り立つ。
「超楽しい。もう一回やってくれ。」
「生きてて私に余力があればね。」
私はすぐに瞳を閉じる。
楽しそうなるうの顔が、私は成功するだろうと信じ切っているその気持ちが、私に力をくれる。
今朝とは、気持ちが全然違う。
「…るう。」
再び瞳を開いた私の体温はさらに上昇。
目の奥も熱く燃える。
「…本当は旅行、すっごく楽しみ。」
「知ってる。」
やっぱりバレてたか。
私は思わず口角が上がるけど、そのまま一気に力を解放する。
「…っ。」
すぐに火龍が私の気を引き込もうと力を発揮する。
それと同時に、山全体が炎に包まれるほど巨大に膨れ上がる。
…悪いね、火龍さん。
今ここに、私の大切なるうがいるもんで。
「今回は、死んでも引けないよ。」
轟々と燃え上がる炎は、別に熱くはない。
ちゃんと調整できている。
未だにグイグイと私は引っ張られ、ここから溢れる炎を抑え込むのに中々時間がかかる。