(一)この世界ごと愛したい
雨雲の中へ、炎の柱がまるで一匹の龍のように立ち昇る。
その炎を中心に雨雲が晴れていく。
「…なんで嬉しそうに寝てんだよ。」
行きは飛んで来られたのに、帰りは私を抱えて下山し城まで歩かなくてはならなくなったるうは私への不満を漏らす。
るうも私も、多少の火傷はあるものの。
修行の上々な出来に満足して眠る私と、そんな私がちゃんと生きて自分の腕の中にいることに喜ぶるうの心は、この空のように晴々しい気分だった。
「…すげえな、リンは。」
まるで災害。厄災を思わせる炎だと。
そう感じていたるうは、最後にその炎を自分のものにしてしまった私を純粋にすごいと言ってくれた。
そんな私たちへの贈り物のように、空に大きな虹がかかった。