(一)この世界ごと愛したい
「…ようやく会えた。」
茂みからもう一人、男が現れた。
不敵な笑みを浮かべるこの男に見覚えがある。
「アレンデールの姫よ。この再会を運命と言わずして何という。」
「……。」
「運命は私と姫を結ぼうと試みているというのに中々会えず。私も苦しんだ。だがこれは神の与える試練だと信じ、今日まで耐え抜いた。」
うわー。
ちょっとうるさ過ぎない?
身の毛もよだつような気色悪い台詞を、ペラペラとスラスラとよく言えるな。
「兄上、姫から離れてください。」
レンが、この男を兄と呼んだ。
ここでようやく私の記憶と、この状況が一本の線として繋がった。