(一)この世界ごと愛したい
アキトとの視察
東の土地まで約丸一日かかる予想。
行きに一日、帰りに一日。さらに下見に半日かかると想定している。
つまり、王宮へ戻るのは約三日後。
「…レンが気の毒だ。」
「どうして?」
「副将とあんなにイチャイチャと…。それを見せられる身にもなってみろ?気の毒だろ?」
るうとイチャイチャ?
私そんなことしたっけ?
「…別にいいんじゃない?お互い望んだ結婚話でもないんだし?」
「うわ、冷てえ女!!」
いくらレンと婚約しているからと言って、るうを蔑ろにするなんて出来ないし。
私が巻き込んでセザールへ連れてきたのに、その私がいなければるうはどうしたらいいんだ。
「…そんなことよりアキトこの辺詳しいよね?」
「まーな。」
「軍が通るだろう道で進んでくれる?全部覚えて帰りたいから。」
「…あいよ。」
私はとにかく集中する。
時に地図を確認しつつ、行く道全ての状況を把握する。
「…リン。」
「なにー?」
「お前もうちょっと力抜け。」
そうは言われても。
自国以外の軍の扱い方も、ましてや戦い方も、全部手探りだ。それでもやるしかない。
私の判断一つで、敗北もあり得る。