(一)この世界ごと愛したい




「私は…何も成長できてないね。」




結局また、大切な人を傷付けてしまう。



パパを、失ってしまった。




「ハル…ごめんね…。」




気付けば涙が止まらなくて。



本当は苦しいの。



ずっと怖くて怖くて堪らなかった。





私は、弱い。



私は、戦神なんかじゃない。





「しばらくハルに会えなくなっちゃうけど。絶対帰ってくるからね。」




やるべき事を成し遂げて、必ずここへ。







「でも、やっぱり…。」




ハルに言葉を投げかけている途中、ふわりと抱きしめられてと身体が温もりに包まれた。





「知ってるよ。お前がそんなに強くねえことくらい。」


「…るう。」




なんでもお見通しなるうが、たまに憎い。



元々るうはハルの従者として城にいたけど、ハルが眠ってからは私の従者へシフトした。



だから小さい頃からの付き合いだ。




るうは厳しいとこもあるけど、実は私をよく見てくれていて。気にかけてくれる。



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