(一)この世界ごと愛したい
今だって、みんなの前では弱音を吐けない私を心配して来てくれたんだろう。
「……誰も、私を責めないの。」
「ああ。」
「けど、私は…今回のこと、私のせいだって思ってるよ。セザールの狙いは私だった。だとしたら…私がいなかったら、こんなこと起こらなかったのに。」
「お前がいるから、俺は救われてる。」
私を抱きしめる、るうの腕に力がこもる。
「俺はお前が思ってる以上にお前が必要なんだ。だからそんなこと言うな。」
るうだって、きっと知らない。
今の私には、るうはもう欠かすことができなくなっている。
「泣きたいなら泣け。お前を支えるのが俺の仕事だ。」
復興とか軍の編成とか、難しいことがずっと頭を占めていたけど。
本当は私だって、亡き父を憂いて泣きたかった。悲しみに伏せる母を見て泣きたかった。泣くのを我慢して強くあろうとする弟を思い泣きたかった。
でも、私が歩みを止めるわけにはいかなくて。