(一)この世界ごと愛したい



「うん、お疲れ様。」


「できる限り時間を稼ぎたかったんですが…。姫様の予想通り、残り三ヶ月の猶予とのことです。」


「上出来だよ。ありがとう。」



見立て通りでよかった。


三ヶ月後に、私はセザールへ輿入れ。



この国を離れなければならなくなる。





その前に片付けなきゃいけない課題は山程あるんだけど、どこまで終わらせられるかは疑問だ。






「とりあえず明日の会議に向けての準備を進めるね。」


「……おい。」




外交官が退室し、部屋にはるうと私だけ。



休憩を促したのにずっと居座っている。そしてこうして眉間に皺を寄せてご機嫌斜め。




「三ヶ月しかないのか。」


「セザール王にしては寛大な猶予だよ。あんな無茶な戦やりきったくらいだから、本来は今月いっぱいでもおかしくなかった。外交官の人ってすごいんだね。」


「…お前は、いつもそうだな。」



< 53 / 1,300 >

この作品をシェア

pagetop