(一)この世界ごと愛したい
「うん、お疲れ様。」
「できる限り時間を稼ぎたかったんですが…。姫様の予想通り、残り三ヶ月の猶予とのことです。」
「上出来だよ。ありがとう。」
見立て通りでよかった。
三ヶ月後に、私はセザールへ輿入れ。
この国を離れなければならなくなる。
その前に片付けなきゃいけない課題は山程あるんだけど、どこまで終わらせられるかは疑問だ。
「とりあえず明日の会議に向けての準備を進めるね。」
「……おい。」
外交官が退室し、部屋にはるうと私だけ。
休憩を促したのにずっと居座っている。そしてこうして眉間に皺を寄せてご機嫌斜め。
「三ヶ月しかないのか。」
「セザール王にしては寛大な猶予だよ。あんな無茶な戦やりきったくらいだから、本来は今月いっぱいでもおかしくなかった。外交官の人ってすごいんだね。」
「…お前は、いつもそうだな。」