彼の溺愛の波に乗せられて
「んー? それか…」

「それか?」

「例えば、ほら金持ちには金持ちの悩みみたいな?」

「全然わかんない」

「お金とか関係無しに、自分を見て欲しいとか」

「そ、そうなの?」

「いや知らん」

知らんのかーい!

「過去に仕事の事で揉めたとか?」

過去に揉めた…

そういえば、女運悪いとは言っていた。
そういう事なの?

「んじゃさ、もしそういう経験してたとして、やっぱり黙ってるってのは…」

「吟味されてるか、信用されてないかでしょうね」

ズゴーンと隕石が落ちてきたような衝撃を受けた。

どちらにせよ私は教えてもらってない。

だからあの僅かな数センチの距離を縮めないの?
私ってそんな風に見えてた?
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