彼の溺愛の波に乗せられて
「天寿、まずこの部屋出よう?」

それでも他の女といた部屋にいたくない。

「雅…」

「天寿の家いこ」

天寿は眉を下げて頷く。
スーツに着替えてフロントへ向かう。

支払いまでさせられてんじゃん。
誰なのその女。

あったまくるわ!

完全に天寿は被害者だ。
私は天寿を乗せてマンションへ向かう。

部屋に入ると天寿はまたソファにドサっと座って下を向く。

「天寿…?」

「いや。ごめんなこんな夜中に本当に」

「ううん。後から聞いた方が冷静になれなかったかもだし。すぐに隠さないで言ってくれて良かったよ」

「雅…」

天寿は私を揺れた瞳で見た後フッと顔をそらしてしまった。

「今さら俺も実感してきた…」

そう言って立ち上がるとバスルームに行ってなんとスーツをゴミ箱に入れてしまった。

「え? 捨てるの?」

「捨てる」

そしてまたシャワーを浴びた。


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