彼の溺愛の波に乗せられて
この店だけじゃない。
行くとこ行くとここの辺はやっぱり海が近いだけあって同じ匂いのする人種をたくさん見かけた。

ここに越してきて間違いなさそうだな。

そして注文とともに聞いてみる。

「この辺りで波に乗れるところありますか?」

「お? お兄さん波乗りか? あるぞ?」

そう言ってロン毛の店主はニカッと白い歯を見せた。

「お兄さん、結構乗れるくち?」

「あー、まぁ。人並みに…」

「お兄さん、隠さなくていいよ。かなりできるね君」

俺を見て店主はそう言った。

「あー、まぁ。人並みっすね」

「クククク。あのな、ここだけの話お客さんには教えた事ないんだけど、君には教えちゃう」

そして、地元民しか行かないという隠れ家的なスポットを教えてくれた。

「ありがとうございます。さっそく行ってみます」

「あそこはなかなか良い波が来るし、ほとんど人も来ない。お兄さん内緒にしてくれよ?」

「もちろんです」

そう言って、たらふくうまい肉も食べさせてもらってその日は越したばかりの家に帰った。
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