彼の溺愛の波に乗せられて
「はまってるの向こうから見えたから」

そう言って道路の方を指差した。

「あ、はい。おっしゃる通りです。板とか持ってないですよね?」

すげぇ距離を感じる話し方だな。
可愛らしい見た目とは違ってハキハキと話す彼女。

「ラダーあるし、牽引するよ」

「すみません。それじゃお願いします」

牽引して車を出しすぐに牽引ロープを外す。

「このまま止まらないで行って。またはまると悪い」

「あ、すみません! 助かりました! ありがとうございました!」

彼女は何度も何度もお辞儀をしてお礼を言ってきた。

思わずフッと笑ってしまう。

彼女が無事に砂浜から出て行ったのを見て俺もロープとラダーを車に積んで家に帰った。
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