彼の溺愛の波に乗せられて
久しぶりに会った彰人は、とても清潔感のあるサラリーマンって感じだ。

「ははは。おつかれ。雅は?」

「私はジムでインストラクターしてるよ」

今日二回目の紹介だ。
思わず天寿を思い出してクスッと笑ってしまう。

彰人を見ると一瞬驚いた顔をした。

「やっと笑った」

「え…」

「いや俺、あの頃必死過ぎて。最後に見た雅の顔は泣いてた顔だったし」

そう言って遠くの海を見ながら懐かしむように言って目を伏せた。

「ごめんな本当に」

私はブンブンと首を横に振る。

「あれから恋愛はした?」

私は俯きまた首を振った。

「え? 一度も?」

え…
一度も…ない…

その時、何故か天寿の顔を思い出してしまった。

「一度も…たぶん。わかんない」

「そうか…たぶんて? 今気になってるやつとかいんの?」
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