彼の溺愛の波に乗せられて
「あったかくなった?」
「なった」
声がすぐ後ろから聞こえてきてますます鼓動が早くなる。
天寿は今どんな顔してるんだろ。
そう思って振り向いてみると息が顔にかかるくらい近かった。
そして私を見下ろす天寿の顔は月明かりに照らされてとても美しかった。
目が合って瞳が僅かに揺れて見えた。
ドキッとして私はすぐにまた前を向いてしまう。
何だ今の。
この距離がもどかしいというかなんというか。
キス…してしまいたいと思った…
というかされそうだった?
そんな事を思っていればクスッと笑った天寿がまた私の頭の上にあごを乗せた。
「ちょうどいいな」
なんて言ってる。
「落ち着く」
「それだけ?」
「はは。内緒」
私は目の前にある天寿の手に触れてみた。
「おっきいね」
「雅はちっこい」