シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~
「せっかくおぼえたのにー」

「どこでおぼえてくるんだか」

私は妹をなだめて、苦笑(くしょう)しながら持ってきたバスケットを差し出す。

「ちょっと休憩(きゅうけい)にしましょう。お昼、皆の分もあるわよ」

このところ毎日シンデレラの代わりにお弁当を作っているので、少しだけ料理の(うで)は上がっているはずだ。

 ペローオオカミが「よっこらしょ」とおじさんくさくつぶやきながらやってきて、さっそくバスケットの中をのぞく。

「今日のこれは、何だ?」

「ハニーマスタードチキンのサンドイッチよ」

「ジャボットが弁当担当になってから、料理が一種類(いっしゅるい)しかなくなっちまったな」

文句(もんく)があるなら、食べなくてもいいのよ」

「いや、文句(もんく)はない!食います食います」
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