メールチェッカー 【2】
少しでも早人に近づきたい。
せめて外見だけでも大人になろうと、背伸びしておしゃれをしてみる。
だが、早人は決して褒めてはくれない。
それどころか、泉美らしい格好でいいんだとたしなめる。
「だって早く大人になりたいんだもん!」
膨れる泉美に、かわいいと頭を撫でる早人。
その行動がまた、自分のことを子供扱いしているのではないかと不安を募らせるのだ。
早人の携帯をチェックするのは、そんな不安定な気持ちを少しでも埋めたくて始めたことだった。
泊まりに来ている自分を置き去りにしてシャワーを浴びることに、最初は不満を抱いた泉美だったが、今では一刻も早くシャワーに向かわないかとさえ思うようになった。
携帯を見ることで、自分の気持ちが落ち着く。
見ないうちはずっと不安で、いてもたってもいられないのだ――。