メールチェッカー 【2】

徳田の彼女である小春は、パソコン教室のインストラクターをしている。

徳田とは反対に、当然その手のことには詳しく、この問題も小春に相談すれば解決するだろうということはわかっていた。


だが、内容が内容なだけにどうも相談しづらい。

そんなサイトに繋ぐからだと一蹴されてしまうのが怖かった。

本当に一度もないのなら強気になれるのだが、実績があるだけに何も言えない。

仮に嘘をついたとしても、自分より詳しい小春にはからくりもすべてわかっているだろうから、事実を見抜かれてしまうのは目に見えている。


そう思い、泣く泣く夜中のメールにも堪えてきたのだが……もう限界だ。


行き場の無い怒りを抱えたまま迷惑メールの削除を終えると、布団を被ってきつく目を閉じた。

< 4 / 60 >

この作品をシェア

pagetop