メールチェッカー 【2】

小春とはつきあってまだ三ヶ月ほどだ。

高校の時の女友達である、貴美香を通じて知り合った。


貴美香が元同僚だった小春と二人で歩いている時に偶然街で会い、声を掛けた。

お昼時だったので、一緒に食事をすることになったのだが、その席で徳田が小春に一目惚れをし、想いを寄せるようになったことが始まりだ。




貴美香とはもう六年のつき合いになる。

いわゆる男女の関係は一切ない。

貴美香のことを、どうしてもそんな対象だと思えなかったのが発展に至らない理由だ。


なかなか彼女ができない徳田は、周りから貴美香と交際をするよう促されていた。

あまりに周囲が囃し立てるのでヤケになり、一時は本当に付き合おうかと思ったこともあった。


――だが今となっては、あの時自分の気持ちに嘘をつかなくて良かったと、しみじみ思う徳田だった。

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