一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
晃輝の話を聞きながら芽衣は生姜焼きを口に運ぶ。なんだか心がふわふわとして変な感じだった。
マスターの生姜焼きは芽衣の大好物。
まかないで出てくると嬉しくてたまらない。いつもなら自分でも作れるようになりたいとわくわくしながら味わって食べるのに。
でも今は味わうどころの話ではない。
彼に見られていると思うとお箸を持つ手もおぼつかなくなるくらいだ。
どうにかこうにか芽衣が食事を終えた頃、マスターが戻ってきた
。
「芽衣ちゃん、今日はもう上がりなさい。晃輝、芽衣ちゃんを部屋まで送ってくれないか。ここの三階の一番奥の部屋に住んでるんだよ。毎日この時間にはあがってもらうようにしているんだが、それでも夜道は心配で」
芽衣は慌ててマスターを止める。
「マスター、私は大丈夫です。夜道っていっても送ってもらうほどの距離はありません。階段を上るだけですから」
おそらく晃輝は勤務を終えてからここへ来ている。疲れているはずなのに、わざわざ部屋まで送ってもらうなんて申し訳ない。
「いや送るよ。階段を上るだけだからといって危なくないわけではないだろう」
晃輝があっさり了承して立ち上がる。そしてマスターに向かって口を開いた。
「ごちそうさま」
「ああ、また来てくれ」
マスターが柔和な笑みで答えると、晃輝は一瞬考えてから、頷いた。
「うん、また来る」
そして店の扉を開けて振り返る。芽衣を待っているのだ。そうまでされては断ることもできなくて芽衣はエプロンをはずした。
「お先に失礼します」
マスターに断って外へ出ると少しムッとした空気に包まれる。
今年は猛暑になりそうだとニュースで言っていたけれど、その通り、夜でも気温があまり下がっていない。
「夜でもまだ暑いな」
呟いて晃輝はビルの外階段を上る。芽衣は少しドキドキしながら追いかけた。
正直なところ、男性に家まで送ってもらうのには少し苦手意識がある。ホテル勤務時代、チーフに部屋まで送ると言われて上がり込まれそうになった経験があるからだ。
あの時は、芽衣がドアを開けると同時に、ドアと玄関の間に足を入れられた。その恐怖がまだ胸に残っている。
晃輝はチーフとは全然違う、彼がそんなことをするわけがないと、芽衣は自分に言い聞かせて心を落ち着ける。
マスターの生姜焼きは芽衣の大好物。
まかないで出てくると嬉しくてたまらない。いつもなら自分でも作れるようになりたいとわくわくしながら味わって食べるのに。
でも今は味わうどころの話ではない。
彼に見られていると思うとお箸を持つ手もおぼつかなくなるくらいだ。
どうにかこうにか芽衣が食事を終えた頃、マスターが戻ってきた
。
「芽衣ちゃん、今日はもう上がりなさい。晃輝、芽衣ちゃんを部屋まで送ってくれないか。ここの三階の一番奥の部屋に住んでるんだよ。毎日この時間にはあがってもらうようにしているんだが、それでも夜道は心配で」
芽衣は慌ててマスターを止める。
「マスター、私は大丈夫です。夜道っていっても送ってもらうほどの距離はありません。階段を上るだけですから」
おそらく晃輝は勤務を終えてからここへ来ている。疲れているはずなのに、わざわざ部屋まで送ってもらうなんて申し訳ない。
「いや送るよ。階段を上るだけだからといって危なくないわけではないだろう」
晃輝があっさり了承して立ち上がる。そしてマスターに向かって口を開いた。
「ごちそうさま」
「ああ、また来てくれ」
マスターが柔和な笑みで答えると、晃輝は一瞬考えてから、頷いた。
「うん、また来る」
そして店の扉を開けて振り返る。芽衣を待っているのだ。そうまでされては断ることもできなくて芽衣はエプロンをはずした。
「お先に失礼します」
マスターに断って外へ出ると少しムッとした空気に包まれる。
今年は猛暑になりそうだとニュースで言っていたけれど、その通り、夜でも気温があまり下がっていない。
「夜でもまだ暑いな」
呟いて晃輝はビルの外階段を上る。芽衣は少しドキドキしながら追いかけた。
正直なところ、男性に家まで送ってもらうのには少し苦手意識がある。ホテル勤務時代、チーフに部屋まで送ると言われて上がり込まれそうになった経験があるからだ。
あの時は、芽衣がドアを開けると同時に、ドアと玄関の間に足を入れられた。その恐怖がまだ胸に残っている。
晃輝はチーフとは全然違う、彼がそんなことをするわけがないと、芽衣は自分に言い聞かせて心を落ち着ける。