人質生活を謳歌していた虐げられ王女は、美貌の公爵に愛を捧げられる
この2つの連絡を受け、私はいよいよ反乱を実行に移す決意を固める。
決行日は3日後に決まり、その日まで息を潜めるようにいつも通りのフリをして過ごした。
そして3日後――。
ほとんどの人が休憩に入るお茶の時間に合わせて、王宮の周りを反乱軍が囲む。
門番が気づき騒ぎ出した頃、すでに仲間に引き入れていた騎士団の団長とアランとともに、彼らを黙らせ、ノランド辺境伯ら反乱軍を王宮内へ手引きした。
武装した男たちが次々に中へ入ってきて、次第に目撃者も増えて騒ぎになる。
「なにやつ⁉︎」
「侵入者だ、中へ入れるな!」
「武装している、気をつけろっ!」
「あれはノランド辺境伯! まさか反乱か⁉︎」
王宮を守る騎士たちが出張ってきて、侵入者を阻止すべく戦闘が始まり出した。
カキンカキンと剣が交わされる音と男たちの荒々しい声があたりに響き渡る。
「腐った王家を倒すのだッ!」
「この国未来のために私たちは戦うぞ!」
「王太子殿下にはウンザリだ!」
王宮内は騒然とし、初めて戦闘を間近で目にする女性たちは悲鳴を上げて逃げるように走り出す。
いつもの平和なお茶の時間は瞬く間に混乱の渦に巻き込まれた。
「側妃の離宮はこちらだ。エドワード様とマティルデ様を制圧すれば被害も少なくて済む。急げ!」
私は反乱軍の主力部隊を先導して離宮へ走った。
離宮も騒ぎを聞きつけてにわかに騒がしくなりつつあるようだった。
「キャァーーーーッ!」
突然の武装した侵入者に悲鳴が上がる中、エドワード様とマティルデ様がいるであろう寝室を目指して、私たちは一目散に歩みを進める。
途中、離宮を守る兵たちが進路を防ごうとしてきたが、予想していたため反乱軍の主力部隊の一部がそれに応対する。
残りは構わずどんどんと目的地へと侵攻を進めた。
そして到着したマティルデ様の寝室を、断りも入れずに遠慮なく開け放つと、予想通りにそこには人影があった。
「キャッ! 何事ですの⁉︎ 」
「王位簒奪のための反乱軍だ。側妃のマティルデ様、身柄を拘束させてもらいます」
「反乱軍ですって⁉︎」
寝室内のソファーで寛いでいたマティルデ様に抵抗する術はなく、ノランド辺境伯に簡単に手首を縄で縛られた。
「ロイド様、どういうことですの⁉︎ なぜ助けてくださらないの⁉︎」
混乱して髪を振り乱す彼女は反乱軍の中に私の姿をようやく見つけたようで、縋るような目を向けてくる。
それをひどく冷めた目で見つめ返し、私は口を歪めた。
「助けるもなにも、私も反乱軍の一味ですからね。命までは奪わないつもりですから大人しく拘束されておいてください」
「なっ、なんですって⁉︎ ロイド様がエドワード様を裏切ったの⁉︎」
「臣下や民の期待を先に裏切ったのはエドワード様です。それがなければこんなことにはなりませんよ。マティルデ様もご存知でしょう? エドワード様が政務を放棄していたことを」
「でもエドワード様は王族ですもの。なんでも許されて当然よ。 政務なんて臣下に任せておけばそれでいいじゃない!」
「高い身分にはその分義務と責任が付随して然るべきなのです。せめて側妃であるマティルデ様がそれを理解している聡明な方で、エドワード様を支えてくだされば良かったのですが。現実は愚行に拍車をかけるだけでしたからね。マティルデ様の罪も重いと言えます」
「私に罪なんてないわ!」
「……ところで、そのエドワード様はどこです? ご一緒ではないのですか?」
キャンキャン吠える駄犬のようなマティルデ様に何を言っても無駄だと察した私は、早々に対話を切り上げる。
そして肝心な質問を投げかけた。
そう、その場にはエドワード様がいなかったのだ。
決行日は3日後に決まり、その日まで息を潜めるようにいつも通りのフリをして過ごした。
そして3日後――。
ほとんどの人が休憩に入るお茶の時間に合わせて、王宮の周りを反乱軍が囲む。
門番が気づき騒ぎ出した頃、すでに仲間に引き入れていた騎士団の団長とアランとともに、彼らを黙らせ、ノランド辺境伯ら反乱軍を王宮内へ手引きした。
武装した男たちが次々に中へ入ってきて、次第に目撃者も増えて騒ぎになる。
「なにやつ⁉︎」
「侵入者だ、中へ入れるな!」
「武装している、気をつけろっ!」
「あれはノランド辺境伯! まさか反乱か⁉︎」
王宮を守る騎士たちが出張ってきて、侵入者を阻止すべく戦闘が始まり出した。
カキンカキンと剣が交わされる音と男たちの荒々しい声があたりに響き渡る。
「腐った王家を倒すのだッ!」
「この国未来のために私たちは戦うぞ!」
「王太子殿下にはウンザリだ!」
王宮内は騒然とし、初めて戦闘を間近で目にする女性たちは悲鳴を上げて逃げるように走り出す。
いつもの平和なお茶の時間は瞬く間に混乱の渦に巻き込まれた。
「側妃の離宮はこちらだ。エドワード様とマティルデ様を制圧すれば被害も少なくて済む。急げ!」
私は反乱軍の主力部隊を先導して離宮へ走った。
離宮も騒ぎを聞きつけてにわかに騒がしくなりつつあるようだった。
「キャァーーーーッ!」
突然の武装した侵入者に悲鳴が上がる中、エドワード様とマティルデ様がいるであろう寝室を目指して、私たちは一目散に歩みを進める。
途中、離宮を守る兵たちが進路を防ごうとしてきたが、予想していたため反乱軍の主力部隊の一部がそれに応対する。
残りは構わずどんどんと目的地へと侵攻を進めた。
そして到着したマティルデ様の寝室を、断りも入れずに遠慮なく開け放つと、予想通りにそこには人影があった。
「キャッ! 何事ですの⁉︎ 」
「王位簒奪のための反乱軍だ。側妃のマティルデ様、身柄を拘束させてもらいます」
「反乱軍ですって⁉︎」
寝室内のソファーで寛いでいたマティルデ様に抵抗する術はなく、ノランド辺境伯に簡単に手首を縄で縛られた。
「ロイド様、どういうことですの⁉︎ なぜ助けてくださらないの⁉︎」
混乱して髪を振り乱す彼女は反乱軍の中に私の姿をようやく見つけたようで、縋るような目を向けてくる。
それをひどく冷めた目で見つめ返し、私は口を歪めた。
「助けるもなにも、私も反乱軍の一味ですからね。命までは奪わないつもりですから大人しく拘束されておいてください」
「なっ、なんですって⁉︎ ロイド様がエドワード様を裏切ったの⁉︎」
「臣下や民の期待を先に裏切ったのはエドワード様です。それがなければこんなことにはなりませんよ。マティルデ様もご存知でしょう? エドワード様が政務を放棄していたことを」
「でもエドワード様は王族ですもの。なんでも許されて当然よ。 政務なんて臣下に任せておけばそれでいいじゃない!」
「高い身分にはその分義務と責任が付随して然るべきなのです。せめて側妃であるマティルデ様がそれを理解している聡明な方で、エドワード様を支えてくだされば良かったのですが。現実は愚行に拍車をかけるだけでしたからね。マティルデ様の罪も重いと言えます」
「私に罪なんてないわ!」
「……ところで、そのエドワード様はどこです? ご一緒ではないのですか?」
キャンキャン吠える駄犬のようなマティルデ様に何を言っても無駄だと察した私は、早々に対話を切り上げる。
そして肝心な質問を投げかけた。
そう、その場にはエドワード様がいなかったのだ。