地雷カプブルー
キミが大好きだよという感情を手の平に込め、優しく輝星の頭を撫でる。
懐かしいぬくもりに、涙腺が緩みそうになってしまった。
このぬくもりは俺にとって癒しで、輝星の存在は俺にとってかけがえのない宝物だった。
小学生までの俺は、自分の欲望のままこの宝物を独占していた。
ほんと贅沢な時間を過ごしていたんだなと過去の自分がうらやましくなり、切なさに負け輝星の後頭部から手を放す。
「雨に濡れたし、風邪ひかないようにね」
精一杯の愛情を声に溶かし、輝星に背を向けた時だった。
さみしさで凍える俺の背中が、大好きなぬくもりで包まれたのは。
俺のお腹にはジャージの袖で隠れた腕が絡みついている。
肩甲骨が浮かれはじめたのは、柔らかい頬が押し当てられているから。
輝星が後ろから抱き着いてくれている。
信じられない現実に体中が硬直するも心臓はうるさいくらいに飛び跳ねていて、何がおきた?と考えれば考えるほど、パニックに陥った脳が余計に俺の心臓に負荷をかけてくるんだ。
「……てらせ?」
俺の声に体をびくつかせた輝星は、さらに強く頬を俺の背中に押し当てた。