地雷カプブルー
嬉しかったんだ。
輝星が俺を好きだと言葉にしてくれたこと。
俺の一方的な片思いだと思っていた。
輝星と結ばれなくても、死ぬまで輝星を想い続けていればいい。
意地を張りながらも、なんとか初恋を諦め生きてきた。
でも両思いだとわかったとたん、再びあの悪夢がよみがえってしまったんだ。
地獄のような時間が脳内で再生されて、恐怖で足が震えてしまうんだ。
俺と輝星が付き合ったら、また輝星は自分を犠牲にしようとするだろう。
自分の命なんてどうでもよくなって、俺を助けるために身を投げ出してしまうだろう。
輝星が燃えるアパートに飛び込んでいったあの日。
焼ける家具から俺を助けてくれたあの時。
火事現場から脱出した直後に、輝星が意識を失ったあの瞬間。
本当に怖かった。
二度と輝星に会えなくなったらどうしよう。
輝星の輝かしい人生を、俺が終わりにしてしまったのかもしれない……と。