薬師見習いの恋
家の扉をノックすると、いつも通りにロニーが出迎えてくれた。
「お帰り、遅かったですね」
「今日は遠出してきたから。ねえ、見てほしいものがあるの」
「なんでしょう?」
優しげに微笑するロニーに、マリーベルは得意げにかごを見せる。
「これは……スズラン?」
「よく見て、似てるけど違うわ」
「まさか、月露草!?」
「そう! いっぱい咲いているところを見つけたの!」
マリーベルは誇らしげに胸を反らした。
が、ロニーは難しい顔をしてかごを覗き、そのうちの一本を手に取る。
まさか、間違えたのだろうか。実はスズランで、猛毒のそれを喜んで持って来てしまったのだろうか。
どきどきと不安にさいなまされていると、ロニーは険しい顔をマリーベルに向けた。
「マリー、森へ行きましたね?」
「それは……」
問われて、マリーベルは口ごもる。
「行ってはいけないと言いましたよね?」
「だって、お薬を……みんなのために……」
実際には見つけたのは偶然だし、ロニーの気を引きたかったのが一番だった。わかっているから、胸を張って主張することができない。
ロニーは大きく息をついた。
「お帰り、遅かったですね」
「今日は遠出してきたから。ねえ、見てほしいものがあるの」
「なんでしょう?」
優しげに微笑するロニーに、マリーベルは得意げにかごを見せる。
「これは……スズラン?」
「よく見て、似てるけど違うわ」
「まさか、月露草!?」
「そう! いっぱい咲いているところを見つけたの!」
マリーベルは誇らしげに胸を反らした。
が、ロニーは難しい顔をしてかごを覗き、そのうちの一本を手に取る。
まさか、間違えたのだろうか。実はスズランで、猛毒のそれを喜んで持って来てしまったのだろうか。
どきどきと不安にさいなまされていると、ロニーは険しい顔をマリーベルに向けた。
「マリー、森へ行きましたね?」
「それは……」
問われて、マリーベルは口ごもる。
「行ってはいけないと言いましたよね?」
「だって、お薬を……みんなのために……」
実際には見つけたのは偶然だし、ロニーの気を引きたかったのが一番だった。わかっているから、胸を張って主張することができない。
ロニーは大きく息をついた。