うみに溺れる。


----------------------------------------------------------

《空人へ》


《いきなりごめんね。
きっとこの手紙を開く時、空人は物凄く構えたんじゃないかな。
でも誤解なく伝えて起きたい事があって。》


《まず、前に僕は空人の事が嫌いだと言ってしまったけどあれは嘘だよ。
いや、やっぱり嘘じゃないのかもしれない。
そこは曖昧なんだ。》


《どんなに嫌いだと思っても嫌いになりきれなかった。本当にムカつくね、空人は。》


《僕が自分で死を選んだ事は突発的な事じゃない。
前々から考えてたんだ。
だからね、空人が何かを思う必要はないよ。》

《本当に誰のせいでもない。》


《海は優しい子だから、僕が居なくなったら多分塞ぎ込んじゃうと思うんだ。
気付いてあげられなかったとか、私が1番近くに居たのにとか。
そこら辺の責任感は妙に強いと思うから。》


《だからね、空人。
幼なじみとして、唯一無二の親友としてお願いがある。》


《海の事、頼んだよ。》


《もうそこにはいない僕の事は考えなくていいよ。
付き合わないで欲しい、なんて思わない。
ただ、ただ海の事を幸せにしてほしいんだ。》

《僕と友達になってくれてありがとう。
一緒に居てくれてありがとう。
今までありがとう。》


《僕の醜い嫉妬に付き合わせてしまってごめんね。》


《雫玖》

----------------------------------------------------------

< 110 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop