Rescue Me
「七瀬さん、よかった。ちょっと来てくれ」
そう言って社長室に戻って行く桐生さんの後を、苛立ちを抑えながらついて行く。
「桐生さん!!あれ程痕はつけないでって──」
社長室のドアが閉まると同時に文句を言おうと口を開いた途端、桐生さんは私が昨日仕上げたビジネスレターを手渡した。
「今から午後の四時頃まで出かけるけど、その間これ直しておいて」
「えっ、今から外出するんですか……?だって今日の午後は会議がありますけど……」
少し驚きながら彼を見た。
「ああ、分かってる。悪いけど篤希に今日の会議に必要な書類を全て渡しといてくれ」
──え……また……?
私は眉間にしわを寄せた。
今日の午後は経営会議があって、いつもなら必ず出席している。先々週はそれぞれのプロジェクトの進捗状況の報告会議があったのに、それもどこか突然外出してしまい欠席してしまった。
最近の桐生さんはなんだか自分の会社の事にあまり興味がないような態度で、急に慌ただしく何処かへ行ったり時には会社に一日中いない時もある。その代わり八神さんがほとんど桐生さんの代わりに社長の仕事をしていて、会社の決定事項なども今は彼がほとんど行っている。
あれだけこの会社に全てを注ぎ込んでいたような人なのに、最近彼の興味がこの会社から薄れているような気がする。少し困惑すると同時に、彼が私に何か隠し事をしている様な気がして、なんとなく気になってしまう。
そう言って社長室に戻って行く桐生さんの後を、苛立ちを抑えながらついて行く。
「桐生さん!!あれ程痕はつけないでって──」
社長室のドアが閉まると同時に文句を言おうと口を開いた途端、桐生さんは私が昨日仕上げたビジネスレターを手渡した。
「今から午後の四時頃まで出かけるけど、その間これ直しておいて」
「えっ、今から外出するんですか……?だって今日の午後は会議がありますけど……」
少し驚きながら彼を見た。
「ああ、分かってる。悪いけど篤希に今日の会議に必要な書類を全て渡しといてくれ」
──え……また……?
私は眉間にしわを寄せた。
今日の午後は経営会議があって、いつもなら必ず出席している。先々週はそれぞれのプロジェクトの進捗状況の報告会議があったのに、それもどこか突然外出してしまい欠席してしまった。
最近の桐生さんはなんだか自分の会社の事にあまり興味がないような態度で、急に慌ただしく何処かへ行ったり時には会社に一日中いない時もある。その代わり八神さんがほとんど桐生さんの代わりに社長の仕事をしていて、会社の決定事項なども今は彼がほとんど行っている。
あれだけこの会社に全てを注ぎ込んでいたような人なのに、最近彼の興味がこの会社から薄れているような気がする。少し困惑すると同時に、彼が私に何か隠し事をしている様な気がして、なんとなく気になってしまう。