Rescue Me
 その日の夜、ソファーに寝転んだまま夜のニュースを何気無しに見ていた。

 テレビでは高嶺コーポレーションでの横領や水増し請求による詐欺罪などで警察からの捜査が入り下請け業社や取引先会社など巻き込んだニュースが報道されている。

 今は少し下火になったもののこのニュースが公になった頃はかなり大きく取り上げられていた。つくづくあの会社を辞めて良かったと思うと共に黒木部長や一条専務の名前をニュースで見ても何故かひどく遠い過去の話のように思える。

 私はテレビから目をそらし壁に掛けてある時計を見た。すでに夜の11時をまわっている。テーブルの上には桐生さんが早く帰ってきた時の為に作った晩御飯がラップに包んで置いてある。

 私はため息をつくと再び視線をテレビに向けた。

 よくハッピーエンドの後には続きがあると言う。これが漫画やドラマだったら私たちの物語のハッピーエンドは気持ちを確かめ合った五ヶ月前にとっくに終わっている。

 しかし実際はこうしてハッピーエンドの後には単調な日常の繰り返しが待っている。一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月と経ち、それが一年、五年、十年と何年も繰り返される。そしてその中で私たちの関係も徐々に形を変えていく。
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