【短篇】君のとなりで
何も言ってこない聡。
このまま…立ち去って?
智美のところへ…
もう忘れさせて…。
私をこれ以上苦しめないでっ…
ぐいっ―…
フワッと一瞬ちゅうに浮いたかと思うと、しっかりと床に足を着いて立っていた。
「なっ、何?」
ビックリして聡を見上げる
「…やっと顔が見れた。」
咄嗟に聡から目を反らし、泣いて不細工な顔を隠した。
久しぶりに見る聡の顔。
私をしっかりと見据える瞳。
――……やっぱり、大好きな人。
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