【短篇】君のとなりで





はあ…と小さくため息が降ってくる。



それだけなのに、こんなにも胸がざわざわする。


なんでため息なんてつくの。


掴まれた腕がほんのり熱を帯びていて全部の神経が集中する。


…離してよっ。

ため息つくくらいに私が嫌いならこんなことしないでよっ!




「…なんで泣くんだよっ」


さっきから止まることをやめない涙。



もう泣きすぎて目が真っ赤になっているだろう。






.
< 12 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop