俺の女



「………」





愁洩はそのまま、恋嘩の仏壇の部屋と向かった。


仏壇には、恋嘩のとびっきりの笑顔の写真が飾られてある。



…もう1つは、徹哉が生まれて、退院したときにみんなで撮った写真だ。





「………恋嘩。」





愁洩は、写真に向かって呟いた。





「徹哉は元気にしてんぞ?…俺もむっちゃ元気やでw…お前は…元気か?」





目を細めて、目の前の恋嘩を見つめる。


しかし目の前で笑っている恋嘩は…何も答えてはくれない。





「…聞きてーなぁッ…お前の声ッ―――」





笑顔で話す愁洩の目から、ポロッっと涙が零れ落ちる…。





「やっぱ俺ッ…お前おらんとあかんわッ…」





手の平で、流れる涙を抑えつけた。


そして愁洩は写真を手に取った。
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