女嫌いな年下のおとこのこ
「はあ…そんなニヤニヤしながら言われたって嬉しくありませんよ」
きっと飛鳥もそれを見越して適当に流してくれるだろうと踏んでいたが、思いの外口に手を当てながらしっかり考え込んでいた。
「白河さんは…」
そう言った飛鳥と目が合う。
すると飛鳥が微笑んでその表情にトキメキが湧いてーーーなんて甘い展開は無く、確かに飛鳥は聖を見て笑ったが、それはトキメキなどとは程遠い笑い方だった。
「フッ…すみませ…白河さん見るとあの弁当が頭を過って…」
「なっ!?ちょ、やめてよ恥ずかしいな!」
アホ弁当を相当気に入ったらしく、酔って少し理性が飛んでいる飛鳥は次第に声を上げて笑い出した。
上司は訳が分からずぽかんとしていたが、聖は恥ずかしすぎて消えたくなった。
これから一緒に仕事をする機会が増えるであろう後輩なのに、間抜けな印象を先につけられてもう面目が丸潰れだ。
「あ、あー!駅に着きますよ、終電間にあって良かったですねー!」
この上更に上司にまで知られたら目も当てられないので大袈裟に声を出して話を逸らした。
そこから上司とは強引に別れを告げて各々自宅方面の電車に乗り込んだのだが、何の偶然か飛鳥と聖は同じ電車に乗り込む事になった。