女嫌いな年下のおとこのこ
「…いやいや、ダメだって。何考えてんの」
頭によぎった微かな願望を慌てて振り払う。
瑞希がこうして自分を頼ってくれているのは、気のおける幼馴染だから。
そこには男も女も無く、今少しでも聖が女である事を意識させてしまったら、この関係は崩れてしまう。
唯一自分に寄せてくれている信頼を、今度こそ失くしたくはない。
深い息を吐き、気持ちを切り替える。
幾分か落ち着いたところで自室を出てリビングへ戻ると瑞希の顔が勢いよくこちらに向き、そのまま立ち上がり詰め寄ってきた。
「…っ、仕事?」
どこか瑞希らしくない様子に不思議に思いながら「そうだよ」と笑顔で返す。
「トラブルがあったみたいでね。明日出社しなきゃいけなくなっちゃった」
「…そうかよ」
「ごめんね?心配かけて」
聖がそう言うと、瑞希が目を見開いてはあ!?と声を上げた。