【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「旦那様、パニックになると馬車に乗せるまで大変になるんです」
「それは……ごめんなさいね」

 それも三年前から変わらないらしい。

 父は敏腕ではあるが、仕事外になるとのんびりとした性格のお人だった。かなり仲がいい人以外にはそれを知らない。

 外で、父のボロが出ないよういろんな人が支えてくれているからだろう。

 そもそも他国にナメられでもしたら、困る。

 父が外出して間もなく、カディオの到着が知らされた。

「いらっしゃい」
「う、うむ」

 三年前と同じように彼を出迎えたのだが、久しぶりのせいか、なんだか二人の間に途端によそよそしい空気が漂う。

 カディオとは目が合わなかった。

(来たくなかったんじゃないの?)

 そんな可能性が頭に浮かんで、シェスティはなんだか寂しい気持ちになる。

 やはり、あれは彼の意思ではなかったのかもしれない。シェスティが父にそれとなく促されたみたいに、彼のほうも両親である国王や王妃に、似たようなことを言われでもしたのだろうか。
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