【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 改めて見てみると綺麗な花束だった。

 薔薇の赤い色の強烈さが、彩る他の花々によって明るい調和をうんでいる。

「綺麗ね」

 シェスティは、自然と目元を和らげた。

「好きなのか?」
「ふふ、ええ、そうね。女の子はみんな好きなのではなないかしら。もらってもいいの?」

 今さらのように嬉しさが込み上げて尋ねると、彼が頬を少し赤くする。

「シ、シェスティに喜んでもらいたくて買ってきたんだ」
「え? 両親に言われたわけではなく?」

「なんでそうなるんだ。あっ、いや、違う、俺はそうつい言葉を言いたかったわけではなくて……君のために選んできた、これはもう……君のものだから」

 カディオが顔を顰める。ほら、という感じで花束をもっと近付けられた。

 あげ方は相変わらずだ。
 でも――シェスティも、なぜだが頬が熱くなってしまった。

「あ、ありがとう」
「うむ」

 両手で花束を受け取る。途端に、いい香りがした。

(隣国で、よく誰かがもらっているのを見ていたわね……)
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