【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 騎士とメイドたちが自分の口を塞いでいた。

 シェスティは戸惑う。目を向けると、護衛騎士隊長が静かにため息を吐く。

「お気になさらないでください。殿下はこの通り、ただお話しをしたいといらしただけですから」
「そ、そうなのね……」

 でも、話し、なんて言われても困ってしまう。

(普段これといって話しなんて……)

 カディオも困っているのだろう。下を見つめ、沈黙してしまっている。

(どうして、急に話しをしようだなんて?)

 仲良くなりたい、のだろうか。

 花束に続いて、今の状況にそんな可能性がまたしても浮上してくる。

「どんな話しがしたいの?」

 気付けばシェスティは、するりとそんな言葉が口から出ていた。

 カディオが唇にきゅっと力を入れる。目の下を染め、視線を少し泳がせて、それからようやくちらりとシェスティを見つめ返してきた。

「……留学の話しとか。俺も自分のことを話すから、一つずつ交換しないか?」

 それも真新しい試みだ。
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