【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
『彼の休憩に付き合うつもりで、一緒にお茶をしてやってくれないかしら?』
『え? あ、はい』

 カディオを見送るべく一緒に廊下へと出た時、王妃にそんなことを頼まれていた記憶が、ふっとよみがえる。
 シェスティは今回の訪問に、ハッと謎が解けた気がした。

「どうした?」

 やはり、今度も目敏くカディオに察知されてしまった。

「えぇと……いいのよ、ちょっとしたことだから気にしないで」
「気になる」

 先導する護衛騎士隊長の後ろに続きながら、カディオが隣からじっと見下ろしてくる。

「なんでそう食いついてくるのよ。以前だったら気にしなかったでしょ」
「花束の一件で危機感を覚えた」
「危機感?」

 通り過ぎて行く中、居合わせたメイドたちが頭を下げていくのだが、どこからか「ぷっ」と声が聞こえた気がした。

「シェスティ」

 そちらを見ようとしたら、やっぱりカディオが邪魔してくる。

「その……休憩で立ち寄ったのよね? 休憩所にしたいと直接用件を書いても、私は構わないからね?」
「は?」
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