【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「あなた体調不良だったみたいだし、休みたい時には『休憩したい』と言っても、全然いいのよ」

 なぜだかカディオが、間を置いて大きなた息を吐いた。彼の頭の上にある獣耳と、それから尻尾までぺしょっという具合に下がる。

(あれ、違うの?)

 何やらシェスティは心臓が速まった。

 それが間違いだとしたら、彼が今日来たのは――。

「シェスティ」
「ひゃいっ」

 緊張したせいで、変な返事になってしまった。

 カディオが足を止める。くるりと顔を向けられたシェスティは、恥ずかしさのあまり顔を赤らめて立ち尽くす。

 彼は目を見開いていた。だが、シェスティが恥ずかしがっているのが移ったのだろう。徐々に彼の頬も染まっていく。

(やめてっ、私がもっと恥ずかしくなっちゃうからっ)

 分かる。恥ずかしがっている人を見ると、自分も恥ずかしくなるものだ。

 シェスティは彼に悪いことをした気になってしまい、どうにか二人の間の空気を変えようとした。周りから護衛騎士隊長たちメイドたちも注目してくる視線も、恥ずかしすぎる。
< 45 / 102 >

この作品をシェア

pagetop