【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 母には、助言一つ要らない娘だったと思い出した、なんて呆れられた。

「今年の建国祭は出席するのか? それとも、帰国したばかりでもう少し休みがほしいか……? シェスティは人族だ、獣人族よりも体力はないのは理解している」

 それとも、の言葉で彼の眉と獣耳がもっと下がる。

 シェスティはどきどきした。こんなにも力がない彼の声を聞いたのは初めてだ。

(手を、ずっと握られているせい?)

 まるで心配して、一心に気遣ってくれているみたいにも感じる。

「シェスティ?」
「えっ、あ、ううん平気よっ。母にも出席すると答えて準備は進めているの」

 裾直しをして今の流行に寄せて少し手を入れデザインすれば、使えそうなドレスも結構あった。

 それが建国祭の二日前には届くことになっている。

 その中から着けるドレスを選び、装飾品も合わせていくので、今からまた少し大変だが――。

「そうか。それじゃあ、次は当日に会おう」

 カディオが、ほっとしたような声でそう言った。
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