【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 おかしい。
 つまり、当時はまた彼のパートナーとして一緒にいるのか。

(幼馴染だから?)

 リストを送るということは、国王たちのほうも、シェスティの両親だって承知していることなのだろう。

 けれどそんな考え事よりも、シェスティはカディオを意識して胸が落ち着かなかった。

          ◇◇◇

 そして建国際がやってきた。
 王都では祭りが開催され、各地も賑わっている。

 王宮では毎年、三日間パーティーが開かれる。貴族たちは夜に向けて準備にも大忙しだろう。

 デビュタントの子たちにとっては最大のお祭りごとであり、いい人との出会いがもっとも期待できる場であり――。

 もちろん、そんなことシェスティには遠い出来事だ。

 気付けばカディオの世話を任せられていて、それから数年、とくに告白イベントやら胸ときめかせる出会いもないまま、十四歳になった年に悟った。

「うん。幼馴染だからね」

 シェスティは身支度に入るため、母と別れて数人のメイドと廊下を歩く。今日までの数日、一人行動から得た強靭な精神で自分をそう落ち着けていた。
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