浅黄色の恋物語

第5章 真冬の天使

 今日は23日です。 平成天皇の誕生日。
平成って奇妙な時代だったよね。 上皇様には申し訳ないけど。
 {内平かなれば外成る}っていう古事から取られたとは言うけれど、、、。
国内は荒れまくりに荒れまくり、国外も荒れに荒れまくった時代だった。
 その中でバブル景気が完全に弾け飛んで重苦しいデフレと価格破壊の時代になっていった。
消費税だけがどんどん引き上げられて何とも言えないデフレ社会が長く続いた。
 やっとデフレにピリオドを打ったのは2020年。 そこからようやくインフレに向かい始めたところ。
でもでもまだまだ財務省は家来を使って増税にアプローチしようとしている。 溜息しか出ないね。

 そんな中、久子姉さんがクリスマスプレゼントをくれました。 ちっちゃなお菓子だったけどね。
そりゃあグループホームでお世話になってる身だもん。 派手なことは出来ないよ。
 そういう小さな気遣いって好きだなあ。 それでもってぼくはますます久子姉さんに惚れこむのでした。
「私はもう女じゃないから。」なんて笑ってたけど、性って見掛けだけで決めるもんじゃないと思う。
 女じゃないって自分で決めちゃダメ。 色気は他人が感じる物だから。
世間じゃ色気って言うとすぐにセックスと結び付けたがる人たちがあまりにも多いけど、それは偏った見方だよ。
 色っぽいか色っぽくないかは人それぞれ。

 たとえばね、75歳のおばあさんが窓際に座ってほうじ茶を飲みながら窓の外をボーっと見詰めてます。
その姿に色っぽさを感じる人も感じない人も居る。
感じないから悪いわけじゃなくて、感じ方は人それぞれなんだよ。
 露天風呂に入って赤くなってる姿が色っぽく感じる人だって居る。
ソファーで寝てるだけなのに色っぽく感じる人だって居る。
 静かに人を招く姿に色っぽさを感じる人だって居るわけで、何が正しいとか間違ってるとかは無いんだよね。

 久子姉さんは静かに人を迎え入れてくれる人だ。 はしゃぐわけでもなく、うっとおしいわけでもない。
そんな人がほんの少しの気遣いでプレゼントをくれたわけ。
 100万円のギターをプレゼントされるより余程に嬉しかったよ。
 「先生に、、、。」ってさ。
 女らしさって誰もが誤解してるんじゃないかなあ? 見せればいい、、、、みたいな感じで。
バラエティー番組でも見せまくってる女って居るけど、正直に言ってあんなのは女じゃない。
胸チラ パンチラ 何でも有りって思うのは妄想でしかないから。
 ぼくが見えないから羨ましくて言ってるんじゃないよ。 ほんとに最近はおかしい。
ラブとセックスを結び付けたいのは分かるけどさ、恋ってそれだけじゃないと思うんだ。
 手を握るだけでも思いはすごく伝わるし、同じ空間を共有してるだけでも何かを感じられる。
内に秘めてる思いを大事にしようじゃない。 殺意はごめんだけどね。
 何気ない会話の中で互いを感じられたら素敵だよね。
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